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おまじないのうた

やっとここまで来たな、という気持ち。
はじめてのワンマンを決めてから、右往左往する毎日。
はじめてやるのだから仕方ないな。
はじめてやるのだから、迷って当然なのだ。

何が正解か、わからない。
ただ、ひとつひとつ、確かめて行くしかない。

いろんな人が、いろんなヒントをくれる。
それをたよりに、考えて、試して、3月27日に辿り着く以外に方法はないのだ。

やっとここまで来れたな。
無駄にみえた時間も、報われないような気持ちも、あるはるかがあるはるかになるまでに、必要でしたね。
笑けてしまうような時間も、あほみたいな時間も、あるはるかにとって、必要でした。

バンドの数だけ方法があると思っている。
それは理想論なのか、どうなのか、私は偉い大人ではないので、わからない。
ある程度、なぞるべき順番みたいなものが作り上げられてきたことの意味も、価値も、もちろんあると思う。
私は「音楽業界」というものに身を置いて仕事をしている大人の人と関わったことがないから、
まるで頭の中のそれは、モンスターのようです。
私が知っている音楽業界の人は、ライブハウスの人、スタジオの人しかいない。
その人たちは、私にたくさんのことを教えてくれた、素晴らしい大人たちでした。
CDを売るとか、そういうことに身を費やしている人の思いに、この手で触れたことがない。
だからまるでモンスターになってしまうのだな。
知らないから、悪い想像ばかりが膨らんでしまうのだな。


いわゆる「音楽業界」は、くそじゃないと思う。
全部がそうじゃない、全部がそうじゃないということは、どんな仕事だって一緒だ。
きちんと仕事をしている人がいるからこそ、今も尚、音楽が残っているのだと思う。
残っているし、残っていくんだと思う。


ギターのきしだくんは言いました。
「やっている人が一番えらいんだよ。」
その通りだと思う。


どんな立場でも、やっている人がえらい、矢面にたって、四苦八苦していることが、一番尊い。
それはバンドマンだろうが、レーベルの人だろうが、事務所の人だろうが、同じだろうと思う。


たくさんのミュージシャンが生きてきた、その時間を引き継いで、次の時間に繋いで行く。
いろんな人がいろんなやり方を持って、それぞれの思いを持って、音楽をしている。
それはすべて等しいと思う。
少なくともそう思っている人間でいたいと思う。


いいじゃないか。
どんなやり方だろうと、あなたが四苦八苦している姿をわたしは、尊いと思うよ。
それは、音楽だけに限らず、例えば生きて行く方法が、どんな方法だっていいのだと思う。
家族のかたちがどんなかたちだっていいのだと思う。
どんな方法で、あなたがわたしが生きることを選択しても、いいんじゃないと言い合える世界になったらいい。
私はそう思うよ。
マウントしあうのでなくて、そちらはそちら、こちらはこちら、あなたの役目はあなたに任せたので、
わたしの役目はわたしに任せて下さいと、言い合える社会になったらいいのにね。


オーディションにだしてみて、わかったのだけど、
私たちの役割みたいなものを、意識し出しました。
その時その時によって、その役目は変わるのだろうけれども、
あるはるかにはあるはるかの役目があると信じたいです。

憧れる歌声があっても、寸分違わずその歌声になることはできないのと同じように、
ひとのことをうらやんでも、わたしの声はわたしの声でしかない。
そのあきらめがついてから、より、いろんなものが見えるようになった気がします。

だからこそ、それぞれのバンドにはそれぞれのやり方があると思うのよ。
だってあなたはわたしじゃないから。わたしはあなたじゃない。
同じにはなれないけど、憧れる気持ちを、歪ませずにきちんと、腹におさめることはできるでしょう。
それは自分自身の力。
自分のやり方を肯定したいがために、相手にマウントしても、あなたの中にのこるものは一体何だというのだろう。

わたしはあなたを否定しないよ。
あなたが心底うらやましいとも思うよ。
うらやましい、を、ねたましい、にはしたくないなあ。
うらやましいはうらやましいのまま、まぶしいなあ、まぶしいなあ、共感するなあ、感動するなあ、にしていきたいなあ。

あるはるかを最初に育ててくれた人。
途中経過のあるはるかをずっとみててくれた人。
これからのあるはるかを楽しみにしてくれた人。
一瞬でも耳を傾けてくれた人。
名前を覚えてくれた人。
全部、あるはるかを作ってくれた人。
これから出会う人も、あるはるかを作ってくれる人。

みんな、今の自分を作ってくれた人たちだと思う。
うらやましい、を、ねたましい、に変えないでも生きていけるということを教えてくれた人です。
誰かをうらやましい、と思う気持ちと、自分には自分のできることがある、ということは、
両立するということを教えてくれた人たちです。
うらやましい、を、まぶしいなあ、感動するなあ、に変える力をくれた人たちです。


ありがとうございます。


わたしは、物語のある人が大好きだよ。
そういう人に、なりたいと思っていたよ。
だけど、安定しているように見える世界で、実はつま先立ちで踏ん張っている人もいれば、
がけっぷちで、ひょうひょうと歩いている人もいるんだよね。

人間というものの、一筋縄ではいかない感じに気づいてから、
自分にできることはそっちじゃないのかもなあと思った。

生き様をぶつけるようなことよりも、わたしは、
安定しているように見える世界に、何とか遅れをとらないように生きている立場から見えることを、
表現したいのかもなあ。
昔ほどもう苦しくないのでね。


あたらしくできた「おまじないのうた」を聞きながら。
はやくみなさんに聞いてほしい。



さえぐさ